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異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜
異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜
作者: 結城 木綿希

#1 死んだっぽい

last update 最終更新日: 2025-06-03 22:59:11

 俺はどこにでもいる普通の在宅ワーカー。またの名を引きこもり。自室という名の城があるというのにどうしてわざわざ外に出て仕事をせねばならない。誰が何と言おうとサラリーマンになどなるものか!これは俺の自論、それも少々過激なものなのだがあえて言おう。「人生における墓場は就職である」と。

 無職やニート、社会不適合者、親のすねかじり、親不孝者。そんな心ない言葉が耳に入ることだって当然ある。実際自宅に引きこもってはいるし、そういうような世間からの見られ方をするのも承知の上だ。同居中の母には肩身の狭い思いをさせてしまって申し訳ないと思っている。

 だけど、これが俺の生き方だ。極力人との接触を避けて、話すときはいつも端末越し。これが俺だ。この生き方のどこが恥ずかしいというのか。どこに陰口を叩かれるべき要素があるというのか。自ら稼いだ金で家を建て、そこに女手一つで俺を育て上げてくれた母親を呼んで一緒に住む。しかも27歳でだ。引きこもりだから他の人がどうかはわからないがこれでも十分早い方だろう。たぶん……。

 同年代よりしっかり働いているし、親孝行もしている。まぁ孫とかは……うん。それ以外は結構うまくやれているし、陰口を叩かれるのは世の偏見のせいだろう。俺は悪くない。今時自宅で稼ぐ方法などいくらでもあるというのに……。

 「家から出たくないから」と言って働きもしないで引きこもって親にかねをせびるのはダメだとは俺も思う。家から出たくないのなら、家を出なくても仕事ができる仕組みを作ればいい。俺はネットを介してたくさんの人と繋がり、仕事も貰えて生活もできるようになった。その努力も無視してあーだこーだ言いやがって。苦情入れてやろうか。こちとらそれなりに弁護士との伝手もあるんだぞ!

 そんな俺は今、何の因果か真っ白のだだっ広い空間にいた。

「これって、まさか!異世界召喚ってやつー!?」

――告、違います。転生です。

 あ、俺死んだっぽい。

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  • 異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜   #67

     前回は実家でちゃんとダメって言われたけど、今日の僕なストッパーはいない!つまり!やりたい放題だー!僕のやりたかったこと全部できる!心臓の音はちっとも面白くないけどね。とは言っても今商会護衛の真っ最中。一応いつもよりしっかり目に周囲を探っておこうかな。「魔力……風……草葉……匂い……。うん、大丈夫そうだね!」 索敵も終えたし早速馬を操るコツやらなんやらを教えてもらおーっと!僕にもね、護衛クエスト中にこんなことしてるのはおかしいって思う程度の常識はあるよ?でもさ、それも含めて冒険じゃん?それに、冒険者としてやっていく以上いつかは自分で馬車を操らなければいけないしシチュエーションがあるかもじゃん? ちょっと今の僕には想像できないけどね。◇◇「よし、そうだ!ただそこをもう少しこうやってやると馬が気持ちよく走ってくれんだ!」 馬も走っていて楽しそうだ。僕の時とは全然違う。やっぱりすごいなぁ〜プロは。「勉強になります!」「にしてもその若さで冒険者とはねぇ。しかも知識に貪欲でいろいろなことに挑戦して失敗して。今はまだ遠いとは思うが、坊主は素直だからな。変にプライドを持たずに自分にとって必要なことだと感じたら自ら頭を下げて頼み込む。坊主は大成するな!そん時は俺らのことを懇意にしてくれよ!」「もちろんですおじさん!」「だからおじさんって呼ぶなって言ってんだろ!まだ20だわ!」 初めての護衛クエストはまだまだ続く。

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     始まりました護衛クエスト当日!とは言っても特別なにかすることがあるわけではない。そこそこ暇なので今は御者さんに馬の扱いを習っているところだ。僕の数少ない弱点が馬なのだ。 いや、乗れないことはないんだよ?乗ろうと思ったら馬の背に魔法で身体を固定して、身体に覇気を纏った上で翻訳魔法を使って直接指示を出せばちゃんと従ってくれる。よゆーだね!ちょっとそこ!ズルとか言わない! しょうがないでしょ?こちとら白兵戦想定やぞ!突っ込んでドカーンやドカーン!たしかに魔法でどうとでもなるからそこまで真剣に取り組んでなかったのもあるよ?でもさ、土台この身体じゃ身長も筋力も足りないせいで練習するとしても魔法前提なのよ。となるとその練習時間も魔法のために使いたいと思うのは自然でしょ?馬車の操作に関しては貴族のする仕事じゃないって言われたから経験ゼロ。【回想】「ねぇねぇ!僕も馬車を操れるようになりたい!」「ダメです!ミシェル様にそのようなことをさせる訳にはまいりません!それは我々使用人の仕事なのです。ミシェル様と言えどそこだけは譲れませぬ。そ・れ・に!万が一が考えられるのです。」「大丈夫だよ?僕も結構強いしさぁ。」  場の空気が突如張り詰めだす。息が詰まりそうだ。なにやら先程より圧が強い気がする「それでもです。万が一馬車が襲われた場合一番に狙われるのはどこだと思いますか?」「馬、かな?」 身体から溢れんばかりに漏れ出す圧が徐々に強くなる「惜しいです。さすがミシェル様ですね。正解は御者です。馬も狙われないこともないのですが、やはり馬というとは価値が非常に高い。御者〇せば貴重な馬を入手できる上に馬車の機動るんです。だから盗賊などは狙ってくる。で、なんでしたっけ?侯爵家の次男であらせられるミシェル様が、何をしたいんでしたっけ?」「すいませんでした。」「よろしい。」 その瞬間いつもの好々爺然とした表情に戻り、圧が霧散した。二度と怒らせないようにしもうと思った。怖かった漏れそう。

  • 異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜   #65

     名も無きモブ君の一言は周囲の喧騒に掻き消された。ちなみにミシェルは絶賛買い物中である。「うーん……何買えばいいのかわからん。」 この男、マジックバックを持っている上に空間魔法にも雑に荷物をぶち込めるせいで冒険者的には何を用意すればいいのか分からないのである。なんなら寝る時は帰宅してベッドで寝てるためテントすらまともに使っていない。「護衛クエスト中の荷物くらいは入ってるし料理とかも入ってるんだけど、冒険者的にはこう干し肉とかの方がいいのかなって思って一応商会まで来てみたんだけど……何を用意すれば聞いておけば良かったな、全然わからん。今から聞きに行けばいいような気もするけど逃げるようにギルドから出てきた手前戻りにくいし……。」 とまぁそんな具合でずーっと「ぐぬぬぬぬぬ」と悩んでいるわけだが、ここはそれなりに評判のいい商会。悩んでいる客には声をかけるのだ。「何かお探しですか?お客様。」「あぁ、はい。今度初めての護衛クエストを受けるんですけど何を用意していいのか分からなくって」 このままでは護衛クエスト中に一人だけ鞄から出来たてほやほやの料理を出すことになりかねない。護衛クエストの成否……というかクエスト中にごたつくかは全て店員さんAの手にかかっていると言っても過言では無いだろう。「あ、もしかしてうちの商会の護衛クエストを怪我をした炎竜の牙の代わりに受けてくださった冒険者さんですか?すごい強いらしいじゃないですか!お若いのにすごいですね!」 依頼を受けた冒険者だと今の会話で察するとはなかなかやるではないか店員A!「そうですそうです。護衛するのってどんな商会なのかなぁ〜って気になったついでに必要なものも買おうと思いまして。」「たしか護衛って7日でしたよね。なら……これとこれとあとついでにこれとこれで『初めての護衛クエストもこれでバッチリセット』の完成!」「また護衛クエストを受けた時もこれを参考にしながら日数で食料なんかを調整すれば大丈夫だと思います!会計はギルド証をかざしていただければ終わりますので。」「わかりました。お、すごい!ちょー早い!何から何までありがとうございました!また何か買いに来ますね!」「またのご来店をお待ちしております!」 さすが大手商会の店員さん。って……ん?あの店員さん商会長じゃね?てことは最初から全部気付いて近付いてきた

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  • 異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜   #63

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  • 異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜   #62

    「あ、そうだ!もうこの護衛クエストは僕のものですよね?」「ん?あ、そうだが……なにかするつもりなのか?」「はい、炎竜の牙の皆さんが結構な重症みたいですしサクッと治療を済ませちゃおうかと。」「治療って言っても何するんだ?ポーションとかがあったりするのか?あるのなら助かるが……お前さん用の一個しかない物とかなら無理する必要もないぞ。あいつらもそれなりに稼いでるからな、治療院に治療を頼むから死にはしないさ。」 あ、ポーション!ポーションって設定でいこう!まぁポーションはポーションで目立ちはするだろうけど、治癒の魔法使うよりマシだろ。ポーションならお金を積めば揃えられるし、貴族って疑われてる今ならどうとでも言い逃れられる。最悪さっきみたいに口止めすればいいしね。「僕一応ポーションを作成の心得もあるのでポーションのストックがいくつかあるんです。それで少しでも治療の助けになればと思って!」 と、いうわけでさっそくドバーッ!「えいっ!これでひとまず安心ですかね。」「んっ……んんん!はっ!みんなは!良かった……ってん?なんで怪我がもう治ってるんだ!?」「そこのウィルがポーション持ってたんでそれを使ったんだが……効果高すぎないか?おいこらお前何したよ。」「何を使ったかなんて今重要じゃないだろ!ウィル、いやウィルさん!助かった!ウィルさんのおかげで後遺症もなく冒険者に復帰できそうだ!治療院も万能じゃないからな。命は助かってただろうがこんなに早く完璧に治らなかっただろうよ。この恩は一生懸けて返させてもらうよ。」「そんな一生を懸けてなんて重たいって!対価はそうですね……貸1ってことで!僕が困った時にできる範囲で手伝ってください!」「それくらいお易い御用だ!まぁ、あんな代物用意出来て数も揃えられるウィルさんの助けになれるかは分からないがその時が来れば全力を尽くすと約束するよ。」「なぁウィル……あれ水なんじゃねぇか?」「ギクッ!!」「パッと見た感じ大した力を感じられなかった。そんなんより遥かに大きくて力強いエネルギーがお前さんの中を渦巻いてアイツらの中に流れ込んでた。お前、まさか……」「ではまた後日〜!!!」 マズったなぁ。でもまぁ、護衛クエスト終わる頃にはほとぼりも冷めてるでしょ!

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